油とアレルギー
今回は人間の摂取する脂肪のお話です。
お話してくれたのは前日本脂質栄養学会会長、現名古屋大学薬学部の先生です。
一般の常識としてコレステロールの取りすぎは良くないとうのがあります。
ところがこの学説、間違いだったのです!!なんとコレステロール値が
高い人のほうが長生きしているという皮肉な調査結果が明らかになったのです。
現在コレステロール値の高い人はまったくこれを気にする必要はなく、
問題はリノール酸を取りすぎていることがガンなどの原因となり、
寿命を早める結果になっているのです。リノール酸の代わりに歓迎されるべきなのが、
最近良く聞くDHAやEPAといったαリノレン酸と呼ばれる脂肪酸ですが、
もともとこれらは魚の脂に多く含まれており、魚を多く食べる日本人は
自然と摂取しているそうです。
具体的に体に良い(アルファーリノレン酸を多く含む)と考えられる油は、
魚油、シソ油、亜麻仁油など。
リノール酸を多く含みあまり良くないのは菜種油、ベニバナ油、オリーブ油など。
本来脂肪は食べ物から充分に吸収できるものなので、サラダを作ったとき
ドレッシングをかけ過ぎるとか、魚をフライで揚げるとか油を使いすぎない
心がけが必要なのです。
アレルギーに関しても、リノール酸は強い炎症メディエーター(炎症を誘発するもの)
となるので、減らしていくことが必要です。0〜2歳児の場合、脂肪の蓄積が少ないので
体質改善が容易に進むそうです。逆に成人の場合体質改善は長い年月かけて行うことが
必要となってくる(普段使用している食用油をシソ油に切り替えてアレルギーや
ぜん息が改善されたという話は、よく聞きますので一度試してみる価値はあるの
ではないでしょうか)。
今回脂肪摂取に関する最先端の話を聞けたのは良かった。
でも今正しいと思われていることがこれからもコロコロ変わる可能性がありますよね。
ひとりひとりが良く勉強して、自分で結果を確認していくしかないということでしょう。